新ウルトラマン列伝
今回はウルトラマンメビウス第32話「怪獣使いの遺産」を放映。傑作揃いの帰ってきたウルトラマンの話の中でも今なお語り継がれている名作「怪獣使いと少年」の続編として、SF作家の朱川湊人さんが脚本を書いています。
コノミの教え子である幼稚園児達が遭遇したUFOには、メイツ星人ビオと巨大魚怪獣ゾアムルチが乗っていました。この組み合わせは皮肉だよなあ。かつて父親を地球人に殺されたビオを使者として送り込んで来た事といい、メイツ星人の上層部は本当に地球と友好を結びたかったんだろうか?
かつての事件の損害賠償として、ビオは地球の領土の20%を要求してきました。確かに地球側にも否はありますが、ビオの行為は立派な侵略です。被害者と加害者は表裏一体という皮肉でしょうか。
宇宙人を恐れる心は今も地球人の心の中にある。しかし怪我をしたビオを気遣う園児たちのように、優しい心を持つ地球人もたくさんいる。
30年前の悲劇を知っていた人は今もいた。目の前で恩人を殺された少年は「怪獣使いと少年」のラストシーンで円盤を探して穴を掘り続けていた。地球に絶望して地球から脱出する為に円盤を探していると評されていたけど、朱川先生は地球とメイツ星を仲良くする為に一足先にメイツ星に行きたかったからだと解釈しましたか。優しい考え方ですね。優しすぎてウルトラファンからは不評だったそうだけど。
雨の中でのメビウスvsゾアムルチ戦は、かつてのジャックvsムルチを思い出させる演出ですね。ビオの憎しみの化身と化したゾアムルチは倒され、ビオは地球を去る。彼の父が残した「愛情」という遺産は、息子にも受け継がれた。ビオは最終回に登場したら面白かったんだけど。
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