ガーネット(以下ガー)「熊本地震でホームスタジアムであるうまかな・よかなスタジアムが破損してしまい、試合が出来なくなっていたロアッソ熊本。だけどようやく先週からリーグ戦に復帰したわ。お帰りなさい、待っていたわよ!」
仁虎(以下ニコ)「中断前は首位に立った時期もあり、今年こそはJ1に行けるかもという空気が漂っていた熊本でしたが、およそ一ヶ月の中断は厳しかったようで前節の千葉戦は0-2の完敗でした。選手達はみんな苦しい生活を強いられていて、全体練習もほとんど出来なかったそうですからね」
ギアボルト(以下ギア)「ですが彼らもプロのサッカー選手。それに熊本には彼らの勝利を願っている多くの熊本サポが居ます。泣き言を言う訳にはいきません。ロアッソ熊本の底力が試されていると思い、前向きに取り組むべきでしょう」
ガー「ホームでの試合開催はまだ出来ないけど、今節は熊本と縁が深い柏レイソルがホームスタジアムを提供してくれたの。チームの垣根を超えた友情、良いわね。アメリカ人の私も感動させられたわ」
ギア「あなたはほとんど日本人でしょ。この日はヴェルディも味スタで試合をしたのですが、私達は熊本を支援したかったのでこちらに来ました。いえ、最近のヴェルディの不甲斐なさに腹を立てた訳ではありませんよ、ええ決して」
王牙(以下オウ)「説得力が感じられんな。私はヴェルディ戦以外のJリーグの試合を見たのは今回が初めてだ。ヴェルディが関わっていない試合は気楽に見れて、なかなか楽しかったぞ」
ニコ「柏駅を出ると、レイソルのサポーターの皆さんがフリーペーパーを配布していました。今回の試合の簡単な説明と、スタジアムまでの道筋が書かれています」
オウ「曲がり角など間違えやすい場所にはレイソルサポが立って、正しい道を教えてくれたぞ。感心感心」
ガー「こういうのって良いわね。ホームであろうとアウェイであろうと、スタジアムに来てくれるお客様を歓迎する気持ちが伝わってくるわ。全てのチームのスタッフは彼らを見習うべきね」
ギア「柏レイソルのホームスタジアム、日立柏サッカー場には今回が初めての訪問になります。全てにおいてレイソル一色、黄色に染まったスタジアムはアウェイチームにはなかなかの威圧感を与えるでしょう。次はヴェルディの試合で来たいですね」
ガー「熊本から遠く離れた関東での開催という事で観客数が危ぶまれていたけど、私達みたいに熊本を支えたい人達が集まってくれて、観客数は脅威の8,201人! 前日に行われた柏vs福岡戦を上回る数の人達が来てくれたわ」
オウ「熊本と水戸以外のレプユニを着ていた者もたくさんいたぞ。私が見た限りでは柏に浦和、川崎、FC東京、大宮、名古屋、京都、徳島、讃岐、金沢、J3の富山と福島のサポーターもいたな」
ニコ「僕達みたいにレプユニを着ていない人もいたでしょうから、他チームのサポはたくさん来てくれたんでしょうね。嬉しい話です」
ガー「ロアッソ熊本のグッズ売り場や募金会場も大盛況! 募金をしてくれた人には、くまモンが握手してくれたわ」
ギア「マスコットキャラはくまモン以外にも肥後のひごまる、ロアッソくんと柏のマスコットキャラで友情出演してくれたレイくん、写真には撮れませんでしたが水戸のホーリーくんも来ました」
オウ「Jリーグキングとやらも来ていたぞ。滅多に見れない幻のキャラらしいな。派遣してくれたJリーグと我が幸運に感謝しよう」
ニコ「募金をした人には、このような簡易ビブスが配られました。これを着て僕達も1日限りの熊本サポになり、応援させてもらいました」
ガー「来てくれたのはマスコットキャラだけじゃないわ。4年前のTV番組でロアッソ熊本のスタッフとして働いたスピードワゴンの小沢一敬さんと、熊本出身の大物歌手・水前寺清子さんも来てくれたわ!」
ギア「水前寺さんは名曲「三百六十五歩のマーチ」を歌ってくれました。敵味方を超えてスタジアムが喜び歌ったあの時間は、なかなか有意義だったかと」
オウ「ふっ、素直に「楽しかった」と言え。なかなか強情な奴だ」
ニコ「他にもサッカー漫画「GIANT KILLING」のツジトモ先生と「キャプテン翼」の高橋陽一先生も来てくれて、サイン会をしてくれました。特にツジトモ先生は試合が終わってもサイン会を続けてくれて、頭が下がりました。人が多すぎてサインを貰えなかったのは残念です」
ギア「ここで日立柏サッカー場のスタ飯を紹介します。行列が長くて二品しか買えませんでしたが、まずはここに来たらこれを食べないとダメと言われる名物レイソルカレー(600円)。温泉卵と刻みキャベツが辛さを和らげており、子供でも美味しく食べられるカレーです」
ギア「続いてはフルーツかき氷(500円)。ボリューム満点、練乳もたっぷり掛かっており、暑い日には最適の品です。ヴェルディもこれくらいクオリティが高いスタ飯を売ってほしいです」
ガー「地震で大きな被害を受けた熊本。東日本大震災で苦しんだ水戸サポにとっては他人事じゃないらしく、こんな嬉しい弾幕を掲げてくれたわ」
ニコ「これこそJリーグが培ってきた絆の象徴ですね。試合は真剣に戦うけど、試合が終わったら仲良くする。甘いと言われるかもしれませんが、そんなJリーグが僕は好きなんです」
オウ「私もだ。日本には海外に誇るべきリーグとサポーターがいる。日本サッカーの未来は明るいぞ」
ギア「マスコミも観客もたくさん集まり、いよいよ試合開始。水戸サポ以外の人達は熊本の劇的な勝利を期待したと思いますが、現実は厳しかった。試合の公式記録はこちらになります」
ガー「熊本は残念だったわね。やっぱり練習不足なのか連携がイマイチで、あと一歩が足りなかった気がするわ」
ニコ「水戸もヴェルディ戦より調子を落としていましたが、それでもチャンスを無駄にせず、きっちり決めました。熊本が本調子だったら、もっと白熱した試合になっていたでしょうね」
オウ「だが決して悪い試合ではなかったぞ。熊本はここから調子を上げるだろう。いや、上げなければならん。熊本で応援しているサポーターの為にもな」
ガー「私達からもエールを送らせてもらうわ、せーの、」
4人「「「頑張れ、ロアッソ熊本!!!!」」」
ギア「そして私達が行かなかったヴェルディは、清水エスパルスを相手に10試合ぶりに勝利しました。私達が行かない試合に限って勝つのは止めてください、お願いします。まあ嬉しいですけど」
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ロアッソ熊本vs水戸ホーリーホック 熊本から遠く離れた柏の地で、Jリーグの「絆」を見た
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