ストーリー漫画家の登竜門・手塚賞は今年で100回目(なお赤塚賞は93回目)。
記念すべき年が大変な事になってますが、みんな家に籠もっているのなら漫画を描く人も多そう。海外からの投稿も受け付けるそうで、今年はハイレベルな賞になるかも。
「ONE PIECE」は休載です。
今号はワンピ以外は全作品掲載されてます。ページ数も減ってません。でも、そろそろ……。
タイムパラドクスゴーストライター
新連載第3弾。原作は新人の市真ケンジ先生、作画は伊達恒大先生。伊達先生は「クロスアカウント」以来、およそ2年半ぶりの本誌復帰です。
「才能が無い」と言われた漫画家志望の青年が、10年後のジャンプを手に入れて、それに載っていた天才の作品を描いてデビューしてしまう。なかなか面白い設定です。編集の厳しい言葉のリアルさといい、市真先生の実体験とか願望が入ってそう。
主人公・哲平のやった事は完全なパクリですが、本人は10年後のジャンプそのものを自分の妄想だと思い込んでいるのがポイントですね。これなら読者に不快感を与えない。自分のやった事に気付いたら、どうするのか興味が沸くし。
第1話としては十分な出来。次回への引きも良い感じで、ヒロインで本物の作者である伊月との関係が気になります。この漫画が「ホワイトナイト」みたいに大ヒットすると良いですね。
約束のネバーランド
イザベラ、死す。
彼女のやって来た事は、間違いなく悪行だった。自分が生き残る為に、何も知らない大勢の子供達を鬼に引き渡してきた。子供達は彼女に殺されたようなものです。
そうと分かっても、エマ達は彼女を憎まなかった。イザベラはエマ達にとって強大な敵であったけど、素晴らしい母親でもあった。憎みたくても憎める存在じゃないし、彼女の事情を知れば尚更でしょう。
愛する子らに見送られながら逝けたのは、イザベにとって最高のエンディングでしょう。悪魔として生きるしかなかった母よ、安らかに眠れ。
ハイキュー!!
強い敵のサーブを「自分の所に来るな」ではなく「俺に来い」と思えるのが、凡人と天才の違いでしょう。凡人は苦しい事を避けたがるけど、天才は苦難を受け入れて成長する。その先にある喜びを知っているから。
「世界は平等じゃないけど平等だ」は至言。性別や背の高さなど、努力ではどうしようもない壁はある。その壁を努力で身につけた技術で補った筈だったのに、恵まれた者達も努力して自分以上の技術を持った。全くもって不条理です。
だけどそんな不条理を、小さな勇者は鼻で笑う。星海も良い選手に成長してるなあ。追い付かれたのならそれ以上の技術を身につける、シンプルイズベストな考え方で戦う星海のファンになりそう。
森林王者モリキング
新キャラ登場。可愛い女の子だけど、その正体は……読者にはバレバレだったけど、だからこそ大喜びする勝子がいたたまれなくて苦しくて、そして面白かったです(趣味悪いぞ)。
オオカマキリのメスだった王香ちゃん、人間社会で暮らすのなら彼女の方が正しいのに、モリキングの言うように王様としては間違ってる気がする。いや、やはり違うぞ。おのれモリキング、可愛い王香ちゃんを泣かせやがって!(私欲丸出し)
ブラッククローバー
ますます太ったチャーミーは、残虐な美女ハールベートに挑む。見た目も食事に対する考え方も正反対な2人、激突するのは運命ですね。
食事は単なる栄養の補充だと割り切るハールベート、美容と健康に気を遣うのは間違ってないけど、栄養剤だけの食事は悲し過ぎる。痩せたら美女になるチャーミーに負けるのは必然でしたね。
まあチャーミーの食事も正しいとは言えないんだけど(笑)。暴飲暴食は健康の大敵、読者のみんなはチャーミーみたいに食べまくっちゃ駄目だぞ。特に女子。
鬼滅の刃
センターカラー&大増24ページで最終回。流石に現代編は「キメツ学園」ではなかったか。ホッとしたような残念なような。
本編については言う事無し。青い彼岸花の謎も明かされた上での完全無欠の転生ハッピーエンド。生まれ変わったみんなが幸せそうで、読者が見たかった光景を描いてくれて感謝します。短命の呪いが解けた産屋敷家も良かった。謎多き画家は性格変わってないなあ(笑)。
欲を言えば鬼の面々、特に猗窩座と妓夫太郎兄妹が生まれ変わった姿も見たかった。でも珠世でさえ転生させなかったという事は、鬼は転生させないという吾峠先生の拘りがあるのでしょう。
しかしこれ程の大ヒット作を、まだまだ人気が上がり続けているこの時期で終わらせるとは。人気絶頂期に終わった連載って「幽遊白書」以来かな? 吾峠先生の潔さと、これを受け入れたジャンプ編集部の判断に敬服します。
正直に言えば若干の物足りなさはあります。炭治郎達の活躍をまだまだ見たかったし、現代の炭治郎とも言える炭彦が新たな主人公になっても良かったと思う。身体スペック高過ぎて、このまま鬼と戦えそうだし。
だけど吾峠先生は、ここで終わらせる事にした。これ以上続けても蛇足にしかならず、それに「新しい漫画を描きたい」という気持ちも強かったのでしょう。ならば読者は作者の判断を受け入れるしかない。幸い外伝が描かれるので、そちらで満足します(平野先生、Fateの漫画も描いているのに。ご苦労様です)。
総評。間違いなく週刊少年ジャンプの歴史に残る傑作。私もド嵌りしました。第1話を読んだ時は「うーん、悪くはないけど絵のタッチが独特過ぎるし、話も地味で1年以内で打ち切られそう」と考えた自分、見る目無さ過ぎ(笑)。
巻末コメントでも多くの先生達がエールを送っていますが、吾峠呼世晴先生(女性の方です)、およそ4年3ヶ月の連載、本当にお疲れ様でした。次回作、楽しみにしています。
マッシュル
調子こいてたバカ上級生も、かなり強いらしかった森サソリも、実はシルバ以上に悪辣だった最低女子も一蹴。スッキリしました。外道相手なら女子であっても容赦しないマッシュ、それで良いのだ。悪党にレディファースト精神は不要。
試験はクリアしたけど、更なる強敵が登場するみたいです。ちょっ、マッシュ、私の黒歴史まで指摘するんじゃない(笑)。いや今でもそういう設定考えるけどね。同人誌描いてるし。七魔牙(マギア・ルプス)って厨二病全開な名称、誰が考えたのかなあ。マッシュにツッコまれまくるんだろうなあ。ワクワク。
僕のヒーローアカデミア
敵よりも卑劣な、悪の道を選ぶヒーローもいる。全ては正義の為に。平和を守る為に。弱き人々の笑顔の為に。……理屈は分かるんですよ。でもホークスがトゥワイスにやった事は、私が悪役好きだという事を差し引いても納得できないし、多分堀越先生はそう思う読者がいる事を見越して描いてる。ホークスを助ける常闇は、好きだけど応援したくない複雑な気分。でも見る。悔しい(苦笑)。
押されっぱなしだった敵側でしたが、いよいよ反撃開始。荼毘と互角に渡り合った外典、まだまだ戦う気満々なリ・デストロ、そして遂に動き出すギガントマキア。復活した死柄木と共にヒーロー達を絶望させそう。むしろやっちゃってください、お願いします。そういう状況にしないと出久達が活躍しないだろうし。
Dr.STONE
連載150回記念センターカラー。「鬼滅」が終わり、他の長期連載陣もクライマックス突入で終わりが近づいてますが、この漫画はまだまだ続きそうで安心。
敵は飛行機まで作っていた。確実に千空と同じか、それ以上の科学者がいますね。しかも仲間もかなりの知識を持っている。これは間違いなく今までで1番の強敵です。和解する気ゼロなのも厄介だ。
でも千空達だって負けちゃいない。いや、強欲っぷりなら確実に勝ってます(笑)。敵の武器を使うのはバトルもののお約束ですよねー。飛行機なんて超貴重品、使わない方がおかしい。乗れるであろう人材もいるし。
しかし敵の銃火器は本当に厄介。司達は接近戦なら最強だけど、これでは近づく事さえ出来ない。まともに戦ったら、いやそもそも戦う事さえ出来ない相手に千空はどう挑むのか。アメリカ編、一気に面白くなってきました。
ボーンコレクション
大増23ページ。
ストーリーはそんなに悪くない。カザミを巡る女の戦い、どこかで見たようなゲーム機を使っての悪戦苦闘、強敵になりそうな新キャラの来訪など要点はしっかり抑えています。
だけど絵が……。特に女子が可愛くないのに、女子の出番が多くて見るのに困る。雲母坂先生の絵、人間の顔が平坦過ぎて違和感が凄いんだよなあ。どうにかなりませんかね?
ぼくたちは勉強ができない
おお、一気に話を勧めましたね。まあ紗和子の問題が片付いたら、この2人にそもそも障害は無いのだからくっつくのは当然でしょう。今やってるのが理珠編だと忘れかけていた人、多そうだけど(苦笑)。
自分の弱さを理解してくれた理珠に成幸が好意を抱くのは当然だし、理珠がずっと彼を見てきた事を知っているので読者も納得。最後のキスシーンと成幸からの告白、理珠ファンには永久保存版でしょう。
やるべき事は全てやったので、次回で理珠編終了かな? いや、まだみさおの問題が残ってる。彼女を成仏させて、成幸と理珠の娘として生まれ変わってもらいましょう(気が早いぞオイ)。
アンデッド アンラック
センターカラー&大増25ページ。編集部はこの漫画を「鬼滅」の後釜に考えているのかな? だとしたら更に面白くなりそうで楽しみ。
スポイルとの決着は前座に過ぎなかった。こいつラスボス級の力持っているんですけどね。腐らせる事が出来ない宇宙に出ても、かなり強い筈だし。相手が悪すぎました。
覚醒という昔の姿に戻ったアンディことヴィクトールは、冷酷非情にして激強。ワイルドな風貌は人気出そうだけど、風子にまで冷酷なヴィクトールはアンディじゃないのでチェンジで。
シェンが何とかすると思ったらユニオン主力メンバー全員登場とは、上手い展開だ。これならヴィクトールの強さを知らしめるだけでなく、主力達のキャラ紹介を同時に出来る。期待します。
呪術廻戦
脹相が見たあり得ない記憶、それは自分達兄弟と虎杖が仲良くしている思い出だった。虎杖、弟の1人になってますね。これは誰が見せている記憶なんだろう? 両面宿儺の仕業でも無さそうだし。
その虎杖は本物の夏油を取り戻そうとしている双子に助けられました。でもこの2人、絶対に味方じゃないよね。夏油の魂を虎杖に乗り移らせるつもりかな? そして夏油の記憶を得た虎杖がパワーアップするとか。
一方、真希と七海先生は、特別1級呪術師の禪院直毘人と行動してます。禪院家の当主だそうで、かなり強い。しかし真人達が連れていた特級呪霊が変態。特級vs特級、次号の巻頭カラーは壮絶な戦いになりそう。
ミタマセキュ霊ティ
確かに第1話の頃のミタマは、こっちが心配になるくらい霊にビビりまくっていた。霊に関わらず暮らした方が良いんじゃね?と思いました。それが今では霊と隠れんぼするまでになるとは……。お父さん嬉しい(誰が誰のパパだ)。
今回はほのぼの、かつハゼレナと少しラブコメっぽい感じの話だったなあと安心させて、突然の電話の伏線をこういう形でやってくれるとは。普通の漫画なら最終回フラグなんだけど、この漫画はそういうフラグを尽く乗り越えてきたので分かりませんね。次回は必見!
アクタージュ
知名度がグーンと上がり、超有名人になった夜凪。高校でも注目の的です。アイドルに対して距離を置くのは間違ってはいないけど、夜凪はそういうのを望んでいない。どうせ注目されるのなら、どんどん前に出よう。世の有名人も夜凪みたいに振る舞った方が良いのでは?(無茶言うな)
CM撮影に続いてのお仕事は、大河ドラマへの出演。全ては黒山が作る映画を成功させる為に。計画は順調に進んでいるけど、黒山は夜凪が有名になり過ぎる事を心配しているし、今のところ天知の狙い通りでもあるのが不安。こいつの思うがままに勧めても良いのかなあ。この大河ドラマ、絶対何か起こる。
夜桜さんちの大作戦
いよいよ両親の死の真相へ迫る。ちょっと大きな音を立てるだけでアウトな図書館、読書好きにとっては天国のようで地獄ですわ。本を読む時って、意外と音を立てるんですよねえ。めーちゃんは可愛いけど。
記録上では太陽の家族だけでなく、太陽自身もタンポポと呼ばれる存在によって処分されていました。タンポポは敵組織の名前かな? 名前はユニークだけど、そういう組織こそ実はエグい事をやっているんですよ。近い内にタンポポとの激戦が始まる?
チェンソーマン
全身焼かれても、刃で貫かれても、車に押し潰されてもデンジは止まらない。マキマと旅行する為なら文字通りその身が焼かれても構わないようです。恋する男は、いや悪魔は強くて怖い。
血肉が飛び散り、チェーンが絡まり、狂った綱引きをして、炎が舞い踊る壮絶な戦いはデンジが制しました。この決戦、アニメで描いたら18禁レベルだろうなあ。でもデンジ君、やっぱり君のその力は光属性じゃないぞ。誰か早くツッコんであげて!
AGRAVITY BOYS
作中屈指のダメ人間グリスロウ。宇宙船のリーダーを任されているんだから成績は優秀なんだろうけど、ババに匹敵する程のダメ人間なので威厳ゼロ。リータなんてサガの方を評価してるし(これはこれでニヤニヤ)。
でもルオにとっては、自分を闇の世界から救い出してくれた恩人であり、笑顔を与えてくれた大切な人なのです。ルオを勧誘する際の台詞はカッコ良かったですしね。クリスに一目惚れしなかったら、優秀なリーダーとして尊敬されてたんだろうなあ。すぐに本性バレるだろうけど。
まあルオの愛はかなり歪んでいるんですけどね。でもグリスロウなら、それくらい面白い人生送れるだろうと思えるのが困る。これからもルオを楽しませてあげてください。あとクリスへの課金は責められないな。私でもそうするだろうし。
魔女の守人
あらら、スピカさん、前回の説得で迷っちゃいましたか。争い事を好まない人には、ああいう真正面からの説得って効くんだよなあ。これは勝ったら味方になってくれるでしょう。
問題は堅物のクロードと、強力な重力魔法。ファフナも強くなったけど、全力で戦う事が出来ないので大苦戦。うーん、以前より強くなっている筈なんだけど分かり難いな。もっと分かりやすく、迫力ある戦闘シーンを描いてほしい。
ゆらぎ荘の幽奈さん
未来視というシミュレーションによって、幻流斎は何度も未来を繰り返していた。タイムリープではなく、あくまで未来の予想なので現実ではない。それでも師匠のラスボス感が強すぎるけど。ここまでやらないと希望さえ見出だせないとは……。本編で上手くやれたのは、ここで頑張ったからですね。納得。
呑子がゆらぎ荘に来た理由も明らかに。という事は彼女は最初から、ほぼ全ての事情を知っていたんですね。文字通りのジョーカーだった訳だ。酔っ払いキャラは侮れない。
本編の今の危機さえもシミュレートされており、幻流斎はコガラシを救う方法を見つけたようです。何という愛の重さよ。やはりメインヒロインは幽奈ですね。コガラシを救う光が見えたので、あと数話で終了かな?
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ジャンプ24号の感想
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